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マズローの欲求段階説を考える 階層化された理論 心の貧困化

人間の価値観をはかるために重要になってくるのが、彼らの欲望の度合いを把握することです。

欲望の強さを知ることで、どの程度の価値観を形成しているのか、参考にすることができます。

その欲望には、段階的なレベルが存在します。

このことを具体的に確認するときに役立つのが、『マズローの欲求段階説』の理論です。

マズロー欲求段階説には、大きく分けて、5種類の欲求が階層として存在します。

これらの欲求が満たされるごとに、次の段階の欲求が生じていく仕組みです。

こうして、断層化された欲望がピラミッドのように積み重なれ、下から低次元の欲求、上から高次元の欲求といった区別がなされていきます。

ピラミッドの形が象徴するかのように、高次元の欲求にいくほど、希望を満足させられる人間の数は少なくなっていきます。

まず、一番、底辺の『生理的欲求』は、動物を含めた生物の栄養摂取や休息、排泄行為への欲求などを示します。

これは、生きていくために、最低限、必要となる欲求です。

この願望が満たせないと、重い病気になったり、餓死したりします。

次に、2段階目の『安全の欲求』は、事故、解雇など、自分に襲いかかる予測不可能なリスクをなくしたい、より富を手に入れて贅沢な豊かな生活を享受したいという希望のことです。

人間は、痛みを感じ、将来のことを不安視してしまうため、誰だって安定・安全を手に入れたいと思うのです。

3段階目の『社会欲求と愛の欲求』は、社会のコミュニティに所属して自身を受け入れられたい、他人への愛情が欲しいといった願望をさします。

これは、結婚問題や孤独死などに良くあらわれてきます。

4段階目の『承認(尊重)の欲求』は、社会から自分が強い価値を持った人物だと認められたいという考えです。

政治の利権や権力的地位への渇望、出世願望などがこれにあたります。

最後に、5段階目の『自己実現の欲求』は、自分の適した能力を発揮したいという欲望です。

適性のない環境であったり、不得意のことをやらされたりすると、この欲求は満たせなくなります。

これらの欲求は、人によって満たせるレベルが異なってきます。

おそらく、欲求の段階が似通った人ほど、価値観が一致し、気が合いやすいように感じます。

逆に、欲求レベルがそれぞれ乖離した国家や人間同士が衝突すると、極端なケースでは、戦争や暴力的なデモ、そして、テロ活動などが発生します。

私の場合、無職の精神欠陥者であるため、一番下の生理的欲求に、数十年間、とどまり続けている始末です。

もしかしたら、今後の日本政府の動向次第で、生理的欲求すら危うくなるでしょう。

サラリーマン時代、周囲にいた人は、最低でも、安全の欲求を半分以上満たした方ばかりで、価値観が合う人がひとりもいませんでした。

こうなると、その方達から見たら、私の言っていることが低レベルに聞こえてしまいがちです。

娯楽より最低限の生活を守ることを優先したため、飲み会や行事で変わり者のような立場でした。

自分を誤魔化して、無理やりアイドル娯楽物のCDを買ったり、カラオケ、ゲームセンターなどを試しましたが、一番、最初に湧き上がってくるのが、お金がもったいないという感情だけでした。

結局、最後まで分かり合えずに終わってしまった次第です。

マズロー心理学入門 人間性心理学の源流を求めて [ 中野明 ]