就職強要殺人 ニートの親殺し 時代錯誤な勤労の義務 悪辣な非正規労働
2014年10月22日、就職を迫ろうとした祖母が孫に暴行される殺人未遂事件が発生した。
幸い、頭蓋骨損傷の重体にとどまり、尊属殺人には至らなかったようだ。
結局、刑務所に入ることになり、3食メシ付きで生活は保障され、彼は『前科』という就職できない究極の言い訳を手に入れることになった。
だが、もし、殺人に至り、死刑にされてしまったら、しゃれになっていなかっただろう。
ニートがたどる末路は、国からの生活保護を除けば、犯罪、自殺、餓死、自営の4択しかないのか?
彼は、そのうち1つを実行し、親に保護された自宅より何倍も厳しいことが懸念される、刑務所生活をおくらなければならなくなった。
囚人1人にかかる費用は、生活保護費を上回る。
今度は、家族ではなく、国民全員が費用を負担することになる。
勤労の義務をかかげている国は、日本を含めてわずかしかいない。
しかも、これは、国民全てに生存権を保障できる勤務先が充分にそろっているという前提で定められている。
完全に時代錯誤な条文と化してしまった。
また、就職難で全員が就職できず労働条件が悪化している孫世代と、みんな貧乏で格差がなく仕事が保障された老人世代では、価値観があまりにも違いすぎる。
おそらく、このおばあちゃんは、テレビで見聞きしたことをうのみにしたり、この世代特有のご近所付き合いで、他の家庭の現状をたまたま耳に入れたのだろう。
まるで、オレオレ詐欺に洗脳されるがごとく、話をうのみにするだけだ。
極論を言う人は、祖母が金持ちになれば解決すると切りだしたり、孫の好みの女の子を紹介して労働意欲をあげればいい、地元役場や知り合いの企業とのコネを使えばいいなどと、反対意見を主張しだすだろう。
だが、選挙のときですら、中身を見ず、人気とりの政治家に投票するようなロボット人間が、そんな発想できるわけがない。
ましてや、歳を重ね、体も心も弱くなった老人である。
その歳の女性は、当時、男尊女卑が激しく残っていた影響で、専業主婦としての経験はあるが、サラリーマン生活を男と同等クラスに経験していない可能性が高い。
つまり、孫と同じ視点に立った意見が全くできないのである。
インターネットなど使える訳もなく、情報弱者で間違いないだろう。
今の時代の価値観で考えれば、病気のハンデがない人間でも正社員になれない者がわずかでもいる以上、底辺はバイト・非正規社員をしてればいいという価値観がスタンダードのようだ。
しかし、バイト・非正規コースなら、特殊技能がない限り、いずれ年齢制限に引っかかる。
結局、おっさんになり、ナマポコースに移行する人間がかなりいそうな気がする。
また、絶望して、餓死・自殺コースを選ぶ場合も少数ながらありえる。
結論として、バイト・非正規コースなら人生を詰むというのが、主流の意見だ。
なので、祖母は、上から目線で安定した就職を何回も要求するのではなく、バイト・非正規の不安定雇用を経験し、年齢制限までできる限り頑張るよう、仕方なさそうに1回限りさとす方を選ぶべきだった。
決して、この手の激情型の人間には、オーバースペックの話題をだしてはいけない。
だが、就職して仕事場で悪辣なオーバースペックの要求をされれば、また流血事件の悲劇を招くかもしれない...。
本当にどうしようもない話である。
ニート脱却には、孫のプライドが低い能力に見合った就職先を許すかどうかが鍵を握る。
精神病・発達障害の兆候があるなら、即刻、出来る範囲の治療を受けさせるべきだ。
ニートには、負けることが分かっている敗者のゲームにあえて挑戦するか、辞退するかの選択を迫られる。
ある意味、神風特攻隊の特攻や、自爆テロに近い観念だろう。
この場合、対価に見合わず悩んで引きこもるより、カースト制度や宗教上の縛りで洗脳されていた方がかえって楽だったかもしれない。
現代では、この手の無能力者を差別し、安楽死の施設で抹殺することを信望している人間も少なからず存在する。
今後、こういった過激思想はますますエスカレートするだろう。